大好きな手話通訳の先輩
今通っている手話サークルには尊敬できる先輩がたくさんいますが、私がその中でも特に大好きな通訳の先輩がいます。
手話が堪能で、私は一番最初にその人が手話でろう者と話をしているのを見た時、本当にろう者だと思いました。
しかもその人…
車いすの人がいたらさりげなく車いすを押してあげたり、聞こえる人がなんで笑っているのかわからないろう者にさりげなく通訳して一緒に楽しめるようにしてあげたり…と、とにかく他人に対してのサポートが本当にさりげないんですよ。
それがかっこいい。
やってやってる!!って感じじゃなくて、誰かが困ってるかな?と感じたらそっと手を差し伸べてあげている感じなんです。
やってもらった人も、サポートしてもらってることも正直わからないんじゃないかな?というくらいのさりげない感じでやっているんですよ。
いや~素敵すぎる。
私もあんな風になりたい。
その先輩と先日、お話しする機会があり、思い切って手話上達の秘訣について伺ってみたんです。
そのことについて、備忘録として今日は書いてみたいと思います。
手話上達のコツ 4選
【最初は「私が勉強を始めたころとはだいぶ時代も変わってきたから、参考にならないよー!!」とおっしゃっていたのですが、「ぜひに!」とお願いしてお話を伺いました。】
- 言語として手話を学ぶ
- 手話の背景も学んでおく
- きれいだと感じるろう者の手話を真似てみる
- 手話をみまくる
昔はとにかくろう者と会話して手話を覚えるというのが基本ベースで、飲み会に参加したり、行事に参加したりしてろう者と会う機会をなるべく作っていた。
でも、今は手話は言語として認められ、文法などの解析も進んできた。
ろう者と会話して覚えるというのももちろん大事だが、手話と日本語は別言語なわけなので、そういった手話の文法などもしっかり勉強して身に着けていったほうがいいと思う。
また、ろうあ運動など手話についての歴史的背景なども学んでおくと、試験対策に限らず、普段の通訳活動にも役立つので、そういった座学的な勉強もしていったほうがいい。
手話表現がなかなか上達しないという悩みには…
一概にろう者と言っても色々な手話表現があるため、自分がきれいだな~と感じるろう者の手話を真似てみるといい。
それからなんといっても、とにかく手話をみまくることが大切である。
などなど、たくさん参考になる話を聞かせてもらいました。
たのしく、つづけること
お話の中で、一番強調されていたのは、
「たのしく、つづけること」ということでした。
正直、ハッとしました。
もっと上手くなりたい!こんなんじゃだめだ!
「手話の読み取りもうまくできないし、日本語にするのも翻訳もうまくできないし、
日本語からうまく手話に変換できないし、そもそも手話表現技術がなさすぎるし、
手話の語彙数も全然足りないし…」などなど。
できないことばかりに目を向けて、
あーあれも足りない。これもまだまだ…と考えていた私の頭をガツーンとなぐってもらいました(笑)。
どうして長い間手話を学んでいるのか、こんなにできなくてもなぜ手話から離れないのか。
それはやっぱり、「たのしい」から。
学べば学ぶほど、ろう者と会話ができるようになってきて、「たのしい」から。
わからなかった手話の単語を1つ覚えて実際使えた時、「たのしい」から。
ろう者に手話でサークルのお知らせの内容をうまく伝えられたら、「たのしい」から。
「たのしい」から、つづけている。
最近は手話を習得したい!通訳になりたい!と強く思いすぎて、「手話を学ぶことがたのしい」という本質的なものを忘れてしまっていたように感じました。
「たのしい」が一番大切だと指摘されて、いや最近の私、完全にその感覚抜け落ちてました…と愕然としました。
一生懸命なのは良くても、「たのしい」という気持ちを置き去りに勉強していれば、いつかプツンと糸が切れて手話の勉強をしたくなくなってしまうかもしれない。
どんなに大変な勉強でも、やはり「たのしさ」を見出していくことは大切だと思うし、「たのしい」という思いは学ぶ原動力になると思いました。
また、「つづける」というのも大切な視点だなと思いました。
言語というものは「つづけ」なければ、驚くほど急速にどんどん力が落ちていきます。
私は大学のころ中国語を専攻していて、中国にも1年間留学していました。
しかし、大学卒業後はめっきり中国語に触れ合う機会がなくなり、あのころ何も考えなくても話せていたことも、今では頭で考えながらでなければ中国語は口から出てきません。
言語はなまもの。
時代によってどんどん変わっていくし、「つづけて」いかなければどんどん鮮度が落ちていきます。
やめずに「つづける」ことは、結構大変なことであると思いますが、そのために必要なのはやはり「たのしむこと」なのだろうなと思います。
「たのしく、つづける」
この言葉をきちんと胸に刻み、これからの手話の勉強をしていきたいと思います。
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