初心者必見!!「手話奉仕員・手話通訳者・手話通訳士」って何?

基礎知識

はじめに

手話を少しかじった人は聞いたことがあると思うのですが、

手話業界には「手話奉仕員」「手話通訳者」「手話通訳士」という人たちがいます。

手話を今後やっていきたいと考えているならこの3つの資格については知っておいて損はないと思いますので、今回はこの3つの資格についてそれぞれのなり方やできることなど、少し詳しく書いてみようと思います。

手話奉仕員とは?

「手話奉仕員」とは、市町村の手話奉仕員養成講座の入門講座・基礎講座を修了した人のことをいいます。

そもそも手話奉仕員養成講座って何?

手話奉仕員養成講座とは、各市町村が毎年開催している手話超初心者向けの講座のことです。

 

地域によって異なるとは思いますが、手話奉仕員養成講座の講座は各地の市町村が開催しているため、広報など市町村のお知らせに募集について載ることが多いです。

こちらの「手話奉仕員養成講座」と、かなり仰々しい名前がついているのですが、要は聴覚障がいを持つ方々とコミュニケーションがとれるようになるために基礎的な手話や聴覚障がいについての知識などを習得する講座です。

入門講座は、本当に基礎の基礎。

ろう者とのコミュニケーション方法にはどのようなものがあるのかや、そもそも手話とはどういったものなのかなど超初心者向けにわかりやすく指導してくれます。

ちなみに、2024年度の入門講座からテキストが変更になっています。

手話を言語として学ぼうという姿勢が感じられるとてもよいテキストになっているので、

手話奉仕員養成講座もう修了したよー!」という人も参考になる点が多々あると思うので、ぜひご一読ください

 

 

この手話奉仕員養成講座の「入門講座」を修了すると、次は「基礎講座」の受講となります。

「基礎講座」はより詳しい手話の基本的な技能や聴覚障がいについての基礎知識を学びます。

「基礎講座」を修了すると、晴れて「手話奉仕員」となります

ちなみに…私が受講していた時は、基礎講座の後に手話奉仕員の試験がありました。

その試験に合格すると、「手話奉仕員」になることができるという仕組みになっていました。

今は入門・基礎の修了をもって、「手話奉仕員」となれるそうです。

しかし、以前は「手話奉仕員」であれば手話の通訳依頼を受けることができたのですが、現在は「手話通訳者」でないと通訳依頼を受けることはできません

手話通訳者とは?

つづいて、「手話通訳者」について説明します。

この「手話通訳者」という資格を持って初めて、手話通訳が仕事としてできるようになります

「手話通訳者」にならなければ、いつまでたってもただのボランティアです。

まさに今の私のことですね(笑)。

じゃあ、手話通訳者になるにはどうしたらいいの?

全国手話研修センターが実施する「手話通訳者全国統一試験」に合格する必要があります。

合格後、都道府県の審査に通過すると手話通訳者になれます。

 

なお、「手話通訳者全国統一試験」には受験資格があり、

  • 手話通訳者養成課程修了者
  • 手話通訳者養成課程修了者と同等の知識及び技術を有するもの

というものがあります。

 

じゃあ、その手話通訳者養成課程とはどういったものなの?

手話通訳者養成課程とは、手話通訳者を養成するための講座で、各都道府県で開催しています。

各地域によって異なるカリキュラムで行われており、手話通訳技術の習得・手話表現技術の習得・実践的な訓練などが行われています。

例えば群馬県の場合、

手話通訳養成講座「基本コース(33回)」「応用コース(33回)」「実践コース(18回)」というコースに分かれています。

「基本コース」のみ選考があり、毎年多数の受験者が受験しています。

私が受験した時の試験項目は、日本語を聞いてカメラの前で手話で表す「聞き取り」と、手話の映像を見て日本語に訳す「読み取り」でした。

内容は、自己紹介や旅行の思い出、デフリンピックの競技についてなどさまざまです。

基本コース・応用コース・実践コースを全て修了してはじめて、「手話通訳者全国統一試験」の挑戦権を得られるというわけです。

手話通訳士とは?

「手話通訳者」「手話通訳士」って何が違うんだろう?

「手話通訳者」になれば普通に通訳できるんでしょ?

「手話通訳者」「手話通訳士」では共通する仕事内容も多くあります。

しかし、法廷での通訳や政見放送の通訳など「手話通訳士」にしかできない専門的な通訳もあります。

最近では、行政機関の窓口など公的な機関での手話通訳「手話通訳士」資格を条件にしているところも増えてきています。

 

「手話通訳士」になるには、厚生労働大臣認定の社会福祉法人聴力障害者情報文化センターが実施する「手話通訳技能認定試験」に合格する必要があります。

なお、「手話通訳者」とは異なり、

受験資格は「20歳以上の者」ということのみです。

受験資格は「手話通訳者全国統一試験」より厳しくはありませんが、なにしろ合格率が10%という狭き門です。

しかし、「手話通訳者全国統一試験」をうけるには、群馬の場合、最低でも3年(基本・応用・実践)確実にかかります。

しかも手話通訳者養成講座は、5~12月まで毎週決まった曜日に受講する(80%以上の出席が必要)必要があり、仕事を持っている人はなかなか厳しいです。

実力に自信のあって時間をかけられない人は、「手話通訳者全国統一試験」をすっ飛ばして「手話通訳技能認定試験」に挑戦するというのも一つの手かもしれません。

なお、手話通訳士となった場合、「手話通訳者全国統一試験」の合格がなくても都道府県の認定試験を受けることが可能です。

 

おわりに

今回は「手話奉仕員」「手話通訳者」「手話通訳士」の違いについて書いてみました。

それぞれの違いは少し理解できたのではないかと思います。

来月の12月7日には、令和6年度の手話通訳全国統一試験があります。

私も再来年には受験することを目標としています。

それまでにたくさん学んで、技術の向上を目指していきたいと思っています。

一緒に学んで、「手話通訳者」「手話通訳士」になってろう者のよき理解者・よき協力者になっていきましょう!

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